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「たけしがお母さんのとなりに座ってるのも、たけしがお母さんと二人で買い物に行くのも…本当はうらやましいんだ…」 ぼくはお母さんと二人でどこかに行ったことが、まだ一回もない。 「お母さんにその話したことある?」 「ないよ…だって恥ずかしいもん」 ぼくがそう言うと、お父さんは笑った。 「何が恥ずかしいんだよ。言ってみればいいよ」 お父さんはぼくの頭をぽんぽんっとなでた。 「だって…。ふつう、5年生になってもお母さんのとなりがいいとかって思うの?」 勇馬は、勇馬のお母さんの悪口をよく言う。
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