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「そうそう。さっき、上着かけてくれたでしょ?ありがとうね」 お母さんがにこっと笑って言ってくれて、ぼくも 「ううん!ぼくも冷えぴたはってくれてありがとう!」 ちょっと大きい声になってしまったけどお礼を言った。 こうやって向かい合って座ってると、車の中やみんなでごはん食べる時にいつもたけしをうらやましいと思ってることなんて、すっかり忘れてしまいそうだ。 風邪をひいたぼくは今、お母さんを独り占めしている。 ちょっとだけ、熱が出たことを嬉しいと思った。
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