夏~scene.3~

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 「わかった、別れよう。寂しい思いさせてごめんな」  …違う  違うの。  「風香なら俺よりもいい奴にきっと出会えるから。だから幸せになって」  待ってよ。  そんな言葉が欲しかったんじゃないんだよ。  「風香が大好きだった。…ずっと。これからも」  遠ざかって行くキミの背中。  待って!  そう言いたいのにカラダが動かなくなってしまった。  ただ、涙だけが溢れて…  街灯の下、ふとキミが立ち止まった。  「そのワンピース、風香によく似合ってるよ」  そう言って振り向いたキミはやっぱり笑顔だった。  大好きな優しい笑顔。  でも、街灯に照らされたキミの頬は、キラキラと光ってたんだ。
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