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「わかった、別れよう。寂しい思いさせてごめんな」
…違う
違うの。
「風香なら俺よりもいい奴にきっと出会えるから。だから幸せになって」
待ってよ。
そんな言葉が欲しかったんじゃないんだよ。
「風香が大好きだった。…ずっと。これからも」
遠ざかって行くキミの背中。
待って!
そう言いたいのにカラダが動かなくなってしまった。
ただ、涙だけが溢れて…
街灯の下、ふとキミが立ち止まった。
「そのワンピース、風香によく似合ってるよ」
そう言って振り向いたキミはやっぱり笑顔だった。
大好きな優しい笑顔。
でも、街灯に照らされたキミの頬は、キラキラと光ってたんだ。
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