夏~scene.2~

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 帰りのバスの中、歩き疲れたあたしは、キミの温もりに安心して眠ってしまった。  目が覚めたのはあたしが降りるバス停に着いた時だった。  「…ご、ごめんなさい」  キミが降りるのは一つ前のバス停なのに…  慌てて謝るあたしの隣でキミは優しい顔で微笑んでたんだ。  「ホント、ごめんなさい」  そう、あたし達が乗ったバスは最終のバス。  「大丈夫だよ!バス停一つなんて歩ける距離だしね。それに、風香ちゃんの寝顔見れたし」  そう言ってキミは笑ってた。  生まれて初めて“人”を愛しいと思ったよ。  キミの笑顔が、声が、全てが…  このままずっと一緒にいたい。  あたしの心に小さな灯りが灯った瞬間だった。  綺麗で儚い線香花火のように…
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