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家までの車中は悠人も私も無言だった。
家に着くと…玄関に母が飛び出してきた。
母「由美子!怪我はナイ?大丈夫なの?」
お母さん…私は誘拐されてと訳じゃナイよ?
由美子「…平気。心配かけてごめんなさい…。」
リビングに行くと…父が…力ない笑顔で迎えてくれた。
父「……おかえり、由美子…。」
…おかえり…由美子。
…由美子。
由美子「…………。」
父に名前を呼ばれた瞬間、一気に涙で視界が歪んだ。
何か言わなくちゃ。
でも…喉の奥がジンジンして、一言でも言葉を発したら、涙が落ちちゃう。
私は逃走して、心配かけた側…ここで泣くのは駄目だと思って…泣かない事に集中した。
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