1458人が本棚に入れています
本棚に追加
2000年9月。
湖が見渡せる公園。
平日の夕方、こんな山の上の公園には人影もなく、10分、20分…静かに流れる時間が大好きで、私は1人、ボーッと湖を眺めていた。
「……い?」
どこからか声が聞こえた気がした。
私に向けられた言葉とは思えない。
とりあえずスルー。
「……しい?」
また聞こえたけど何を言ってるか聞き取れなくてスルー。
「ねえ?」
今度は私に言ってるんだと思い、辺りを見回した。
と…5m先の芝生に寝転び、こっちを見ている男の人。
目が合い、なぜか暫く見つめ合った。
…ナンパとは違う気がした。
「淋しい?」
何の脈略もなく唐突に、彼は私にそう聞いた。
最初のコメントを投稿しよう!