出会い

2/6
前へ
/1378ページ
次へ
2000年9月。 湖が見渡せる公園。 平日の夕方、こんな山の上の公園には人影もなく、10分、20分…静かに流れる時間が大好きで、私は1人、ボーッと湖を眺めていた。 「……い?」 どこからか声が聞こえた気がした。 私に向けられた言葉とは思えない。 とりあえずスルー。 「……しい?」 また聞こえたけど何を言ってるか聞き取れなくてスルー。 「ねえ?」 今度は私に言ってるんだと思い、辺りを見回した。 と…5m先の芝生に寝転び、こっちを見ている男の人。 目が合い、なぜか暫く見つめ合った。 …ナンパとは違う気がした。 「淋しい?」 何の脈略もなく唐突に、彼は私にそう聞いた。
/1378ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1458人が本棚に入れています
本棚に追加