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「よーし。これで今学期最後のホームルームは終わりだ!お前ら青春を謳歌しろよ!」
担任の妙に気合の入った掛け声でクラスの連中は一斉に動き出しワイワイと騒ぎ始める。
とうとう終わってしまった。また、何も起こらずに。
1年を何もできずにただ浪費してしまった俺は、2年のクラス替えにキラキラ輝く素敵な甘酸っぱい出会いを期待していたが、甘かった。
1年次に引き続き見事なヘタレっぷりを発揮して、とうとう1学期を終えてしまった。
我ながら情けない。周りではいちゃいちゃいちゃいちゃとそれはもう幸せそうにいちゃつくカップルどもが嫌でも目に入る程増えたというのに。
ため息をひとつつき俺は机の中の私物を手当たりしだいに引っ掴んでやる。それを鞄に強引に押し込んだところで教室を出ようと立ち上がる。
「よおアリト。また何もできなかったみたいだけど、どうだ今の気分は?」
たまったイライラを増幅させるようなゆっくりとした口調の声が俺を呼んだ。
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