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そんな総司の心情など知る由もないまま
凛は言われた通り、平助の部屋に向かった。
来たのはいいが、いつ戻ってくるのかなど分からないまま、ただじっと待っている。
「…帰ろうかな。」
と、呟いて私室に戻ろうとした所に
もぞもぞと動く人影を見つけた。
「平助くん…?」
小柄な影だった為、平助だと察する。
「!!り、凛!」
私が急に声を掛けたせいか、吃驚した声を出す平助くん。
何でここに?なんて聞かれたら答えられる筈など無い為、何も言えない。
ここは先に、と思い
「今ね、洗濯物干してたんだ。
平助くんの部屋の前だから良く手伝ってくれるよね。」
と苦しい嘘を述べた。
何言ってんだろう…!夜に洗濯物干すなんて、有り得ないのに…。
しかし、平助は気付いてないのか何も言わない。
「……平助くん?なんか、お酒臭い?」
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