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あぁ、言ってしまった。
また、胸が痛んでついつい酷いことを言ってしまった。
「うぇっ!?
い、いやちょっと…
おっさん二人に無理矢理だな…!!
お、俺は遊郭なんて嫌だったんだぜ!?」
遊郭…。やっぱり…。
また、
ずきんずきん
と胸が痛みだす。
その気持ちを紛らわす為に
「遊郭…。平助くん遊郭に行ってたんだ。
そういえば白粉の匂いがするね。」
とまた言いたくもない言葉を発してしまう。
「う、嘘?
で、でででも!!
女とは何にもしてねぇ!ほ、本当だからな!
変なことなんて、何にも無かったんだ!」
顔を真っ赤にしながら必死に言い訳をする平助を見て、今まで感じていた胸の痛みが
嘘みたいに無くなり、変わりに暖かい気持ちが溢れ出す。
「ぶっ、平助くん、そんなに慌てないで?
平助くんがいくら遊郭だからって簡単に手を出すような人じゃないって知ってるから。」
―そうだ。平助くんはそんな軽い人なんかじゃない。
私、一人で落ち込んで何をしてたんだろう。
平助くんなら信じれる。
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