亀裂

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「あら…お連れさん、行かはりましたなぁ?」 「ちょっ、ちょっと! 紅さん!俺、あん時一杯しか酌して貰ってねぇし、おっさん達と騒ぎもしてねぇ! 勝手なこと言わないでくれよ!!」 「そないに怒らんといて? ただ、ちょっぴり味付けただけやないの。」 悪びれた様子も無くしゃあしゃあと言ってのける紅。 「…っ! 紅さんにとってはどうでもないことかも しれねぇ! けどな、俺にとってはでかいんだよ!! あいつが俺のこと信じてくれたのに…! …台無しじゃねぇか! あいつは…あいつには!! ずっと信じていて欲しいんだよ! 大事な奴なんだよ!! …くそっ!!」 吐き捨てるように言うと同時に 甘味屋を飛び出して凛のあとを追って行った平助。
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