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「大事な奴、どすか…。」
平助が残した言葉を復唱する紅。
「ふっ…、おりましたなぁ。私にも。」
悲しそうに呟く。
「おい、月夜(つくよ)。」
と、紅のもう一つの名を呼ぶ声がし、
そっちの方向に向く。
「今は月夜とちゃいます。紅どす。
やめなんし。」
「ふ…、俺の前で郭言葉などよせ。
…気色の悪い。」
「高杉はんはよぉ島原行かはりますのになぁ?
郭言葉が嫌いどすのん?」
私の目の前に現れた男。
高杉晋作。
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