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どうも。
現在小野は入学式をしておりますはい。
体育館の舞台の上で校長先生らしき人が延々と話しているが、俺には全く聞こえない。
うん。
「…ぃ!」
聞こえない。
「おい!」
うん。
やはり聞こえない。
「何ぶつぶつ言ってんだ?
おいらは斧郁人(オノイクト)だ。
それよりお前初日からずいぶん目立ったな~」
ん?
なにやら隣が騒がしいな。
なんだこやつは?
確か俺の席の前に居たやつだな。
「申し訳ない。俺は耳が聞こえないんだ…」
するとそいつはジェスチャーでひたすら謝ってきた。
「てか名字一緒なんだな」
「お前もオノって言うのか!
おいらは道具の方の斧だ。
ってあれ?耳聞こえ――――」
「おぉ!俺は普通の小野だ!
小野淳椰って言うんだ!
よろしくな!」
「あ?あぁ、よろしく」
『校長先生ありがとうございました。
これで入学式を終わります。
生徒は担任教師の指示に従って教室に戻ってください。』
「よし、お前ら早めに戻れよ~」
やっと話終わったのか。
てか担任適当すぎだろ。
「なぁ淳椰、うちの担任適当すぎじゃないか?」
……小野淳椰一生の不覚。
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