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その後部活のことは永井先生がやってくれるらしいので4人は自転車で喋りながら帰っている。
「ところで皆さんの場所はどこなんですか?」
「淳椰、場所ってなんだ?」
「明夢、なんだ?」
「君たちの耳は羽付き餃子か?
祈ちゃんは社の位置を聞いているんだ」
こいつの家は神社か。
「場所です」
「羽付き餃子、場所ってなんだ?」
「君たちの脳みそはアスベストか?席の場所に決まってるだろ」
「ポジションのこと?」
「はい!それです!」
「アスベストよ…
お前はよくやった」
「僕はめげない」
こいつらは何やってんだ。
「郁人はポジションどこだ?」
「おいらはキャッチャーだ!」
キャッチャーっぽいな。
なんとなく。
「ベンチか、それは頼もしい。じゃあ明夢は?」
「僕はサードだよ。ショート、セカンドもできるけどね」
サードっぽいな。
それとなく。
「淳椰はどこなんだ?」
「うーん、俺はセンターとかライトとかかな」
「みなさんいいですね!
なんだか部活が楽しみです!」
楽しみなのはいいけど…。
「まずは部員だな。十人いないと大会に出れないし」
「部活さえできれば人は集まるっしょ」
「同感だね」
そんなもんか。
「じゃあ僕はそこを左に曲がるよ」
「おいらは右だ!」
「おう!じゃあな」
「また明日!」
そう言って手を振ると2人は全速力で自転車を漕ぎ出した。
明夢が電信柱にぶつかったのは気のせいだろう。
「とりあえず野球部が作れて良かったですね!」
「そうだな、野球部なきゃ甲子園行けないもんな」
「こ、甲子園ですか!?」
「あぁ!甲子園の土欲しいからな!」
「稀な人ですね!」
「ありがとうございます」
「でもいきなりこんなに仲良い友達が出来て良かったです!」
なんかグイグイ来てます。
破竹の勢い。
「そうか?」
「はい!!」
「それは良かった。
じゃあ俺の家ここだから」
「うん!!じゃあばいばい!」
そして俺は帰宅した。
「淳椰くん……」
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