1984人が本棚に入れています
本棚に追加
心を落ち着けた私はそのままキッチンへと向かう。
きっと沖田さんはお腹すいているはずだから。
っと言うか私が腹へったのだよ。
「お腹すいたよね?夕飯何食べたい?」
「紗智さんが作る物は何でも美味しいですから何でも。」
そう言ってにこにこした顔で私の後ろをついてくる。
本当に子犬みたいだよ。
沖田さんにとってキッチンはもはや夢の世界の様で、私が料理を始めると必ずついて来て楽しそうに見ている。
沖田さんから見る私はさながらマジシャン的な?
「今日はチンの箱使いますか?」
キッチンの中でもお気に入りなのが電子レンジらしい。
前に一回使って以来チンの箱と呼んでいる。
ワクワクしながら無邪気な沖田さん。
目の輝きがいつもの二割増しだ。
今日はレンジ使わないけど……
ちらりと目を向ければ目の前には二割増しの輝き。
「もちろん使うよ~!」
はい、負けました。
だってあんな顔見たら使いませんとは言えないよ!
使いませんって言って沖田さんが泣いたらどうすんの!
泣いたら……泣いたら……それはそれで萌えるよね?
何て妄想しながら無駄に玉ねぎをチンしてみました。
……三回も。
おかげで沖田さんの目の輝きは二割増しから五割増しへ。
玉ねぎはまん丸からカラカラへ。
やり過ぎました。
しかしその輝きだけでお腹一杯です。
ご馳走様でした。
最初のコメントを投稿しよう!