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その後、朝ご飯も食べ終わり出勤しようとする私にべったりとひっつき、半泣き状態だった充兄をなんとか剥がしやっとの思いで出勤。
一度心配症が発動してしまえば、鬱陶しい事この上なし!
あの心配性はどうにかならないものかね?
「おはようございます、紗智さん」
「あっ、おはよ~!総司も今日は日勤なんだ?」
「そうですよ。それにしても紗智さん何だかお疲れですね?」
「分かる?充兄の心配性が発動してね。来る前から疲れたんだよ」
職員専用の入り口から病院内に入れば、
ちょうど総司も出勤していたらしく、爽やかな笑顔が私の疲れを癒してくれる。
今日も総司君は美味しそうです!
「心配性?何でまた?」
「何でも変なテロリストが立て籠もり事件を起こしてるってテレビで見たらしくてさぁ」
「あぁ、改革の会でしたっけ?」
職員専用の通路を歩きながらそんな会話をしていれば、総司は納得と言った表情で頷いていた。
まぁ確かにテロリストなんて怖いけど、しょせんテレビの事と私には他人事でしかない。
「だから充さんあそこにいるんですね」
「へっ?」
総司が苦笑いでそんな事を言っていた。
意味がわからず振り返れば、電柱の影でコッソリとこちらを見つめている充兄の姿が見えた。
その姿をみれば頭も痛くなるって話しだよね?
もう充兄がストーカーにしか見えないよ!
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