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そして名残惜しいが総司と別れ、ナース服へと着替えれば、ピシッと気持ちが引き締まる。
充兄の事なんか頭の隅っこへと追いやり、仕事へと取り組んだ。
そして何の変わりばえもなく仕事をこなしていれば、事件は起こった。
「お昼休憩行って来ま~す!」
午前の仕事が一段落し、スキップでもしたくなる様な気持ちで食堂へと向かう。
今日の日替わりランチは照り焼きチキンなんだよ!
相変わらずここの食堂はハズレないからなぁ。
お腹も空いて頭の中は照り焼きチキンの事で一杯。
食堂を目指して1階の廊下を歩く。
食堂は病院の受け付けを過ぎた先にあって、受け付けには会計を待つ人や薬を待つ人なんかで混んでいる。
大きい病院ってのはこの辺が面倒だよねぇ。
待ち時間が長いのがねぇ。
人で混んでる受け付けを他人事の様に見ながらその受け付けを通り過ぎた。
だって患者さんのは待たせてしまって申し訳ないなって思うけど、私にはどうする事も出来ないし、照り焼きチキンが私を呼んでいるんだよ!
仕方ないじゃないかっ!
そうして受け付けを通り過ぎ、食堂の入り口が見えて来て照り焼きチキンへの期待が膨らんだ所で、背後から悲鳴にも似た叫び声が聞こえてきた。
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