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壁にもたれ一人パニックになっていたら、頭の片隅の片隅に放置しておいた充兄の言葉が鮮明に蘇る。
ま、まさか………?
現実離れし過ぎてて、他人事だと思っていた事が今目の前で起こっているのかい?
充兄の言葉を思い出し、すっかり体からは血の気が引いていく。
私はゴクリと生唾を飲み込んだ後、今考えている事が現実ではない事を祈りながら壁から様子を覗き込んだ。
「俺らは改革の会だ!この病院は俺達が占拠する!この腐り切った日本を変える為の改革だ!この場に入れる事を誇りに思え!」
「「「きゃぁぁぁぁー!」」」
武装集団のリーダーらしき男が堂々とそう言い、掲げたライフルから天井に向け威嚇の一発を放つ。
その瞬間の受け付けにいる人達の悲鳴が響く。
いやいやいや、マジッすか!!
本物のテロリスト~!?
こんなのテレビでしか見た事ないよ!
いやテレビでもこんな緊迫感は味わえないよね?
これは明日のワイドショーはこの事で持ちきりだね!
ヤバい私テレビデビューしちゃうかもっ!
………って呑気かっ!
んな事言ってる場合じゃないでしょ!
この病院の、患者さんの命がかかってんだよ!
誰か、誰かに知らせないとっ!
私はこの大事件を知らせる為、院長室へと走りだしていた。
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