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佐方部長の鬼の一睨みによりすっかり目が覚めた私。
漸く本来の目的を思い出した。
「ち、違うんです!て、て、テロリストがっ!さっき受け付けの所でライフルとか持ってて!」
「落ちついて下さい、紗智さん!」
「これが落ち着いていられる訳ないじゃん!」
必死に院長に訴えれば、総司は私の背中を優しく摩ってくれた。
ってか何でそんなに皆落ちついてるの?
テロリストだよ?
武装集団だよ?
「んな事はお前に言われる前から知ってんだよ!」
「へっ?」
佐方部長の言葉にポカンと口を開け、間抜け面を晒してしまった。
「わいの情報収集力舐めたらあかんで?」
「す、歩さん!?」
間抜け面を晒していれば、どこからともなくドヤ顔で現れた歩さん。
昔培った監察の能力は現代でも活かされてるらしい。
いやいや、でもよ?
相手は武装集団なんだよ?
おっかない武器一杯持ってんだよ?
病院占拠されちゃうんだよ?
例え歩さんからテロリストの情報を得たとしてもこの病院の危機には変わりないじゃないかっ!
なのに何で皆そんなに落ち着いてるの?
頭おかしいんじゃない?
テロリストの存在も信じられないけど、皆の落ち着き払った態度の方がよっぽど信じられない。
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