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皆の態度に一人慌てていれば、今野院長が落ち着けと言わんばかりのわざとらしい咳払いをしていた。
思わず院長室の立派な椅子に座る今野院長へと視線が映る。
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ！紗智君！」
「えっ？でも相手はテロリストで、しかもおっかない武器で武装してるんですよ？患者さんも人質に獲られて……」
「だから大丈夫だって言ってんだろが！俺たちを誰だと思ってんだよ！」
院長に落ち着けと言われも状況が状況な訳で、落ち着くなんて言うのは難しいって！
なのに佐方部長からはあからさまに面倒臭いなお前的な目で睨まれるし。
俺達を誰だと思ってるなんて聞かれてもその尋常じゃない眼光はさて置き、一般市民には変わりないでしょう？
「こんな事もあろうかと、準備は常に万端だよ！」
自信満々にそう言う今野院長だけど、こんな事って普通ないよ？
準備万端ってどんだけの事を予期してたんですか？
いつ命を狙われるか分からない幕末の時ならいざしれず、ここは平成で、命を狙われる危険性なんて皆無だよね？
それなのに準備万端って？
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