始動

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∽ 魔力が薄い。 これがこの時代の第一印象。 自分がいた時代に比べると、約百分の一以下だろう。大地や木、動物に至るまで魔力を発する全ての万物が弱まっている。 俺が極大魔法を放ってスパルナ島を消滅させてから、二日が経った。 あの一撃は三つの意味を込めて放った、今の俺の中で一番強力な魔法。 一つ目は過去との決別、二つ目は過去を思い出した時に湧いた膨大な魔力の消費。 流石に多過ぎる魔力は邪魔でしかないからだ。 そして三つ目は、 俺が復活した事を示す狼煙(のろし)。 あれ程の巨大な魔法を放ったのだ、例え肉眼でも大陸に居る人間に見えただろう。 気づくはずだ。 嫌でも、俺が復活したと。 そうすれば俺の存在は周知の事実になる。 復讐対象の奴らに俺の存在を教え、恐怖を与える。 それが最大の目的だった。
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