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『もしも~し』
旦那からだと思ったのだろう
電話の向こうの相手は
甘い声を出し、電話に出た。
「もしもし…突然すみません…
さとし…松田さとしの妻です」
『……え…?…あ、…はい…』
かなり、動揺をしているみたいだ。
しかし、私は気にせずに
話しを続ける
「旦那の携帯を見て
二人の関係はもう解っています。
私は、あなたを責めたり問い詰めたりする為に電話をしたんじゃありません。
一つだけ
聞かせて下さい。
本気ですか?遊びですか?」
息継ぎするのも、忘れるぐらい
早口で要点だけを伝えた。
何処で知り合ったのか
どちらから誘ったのか
どうやって関係が始まったのか
いつも
どんな風に二人は会っているのか
そして
どこまでの関係なのか…
気になる事は
聞きたい事は沢山あった。
だけど…
一番肝心なのは
お互いが本気なのか
遊びなのか…だ。
長い間、沈黙が続いた。
暫くすると
『…本当にすみませんでした…
私にも旦那と子供がいます…
……遊びでした……
もう二度と連絡もしません…』
泣いているのか…
鼻を啜りながら呟く様に答えた。
泣きたいのは私の方だ…
怒りで震える…
いっそ、相手の旦那さんにも
言ってしまおうかと最低な考えさえ浮かぶ…
だけど、私は堪えた。
一番最低なのは
旦那だ。
「解りました。
後程、旦那から連絡させますので
宜しくお願いします」
そう伝え、電話を切った。
次は、旦那の番だ。
私は、電話を切ると
すぐに寝ている旦那を叩き起こした。
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