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午前11時14分
紳士の俺は昼ご飯も妹にくれてやった。
つまり、俺は外食せざるを得ない状況となったのだ。
目的地はお馴染みの牛丼屋である。
よく目立つオレンジの看板が見えてきた。
腹減ったなぁ…
先程の「腹減ってないしな。」は嘘ではなかった。
だが、やはり朝を抜くと昼までがしんどい。
まったく。帰ってくるなら連絡くらいしろっての…
そう思いながら俺は牛丼屋の扉を押した。
「いらっしゃいませー!」
若い兄ちゃん姉ちゃんが俺を迎えてくれた。
何故だか少し嬉しくなった。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
レジの若い姉ちゃんがニコニコしながらこちらを見てくる。
「牛丼特盛つゆだくで。」
「畏まりました。こちらでお召し上がりになられますか?」
「はい。」
俺がそう言った後、レジの姉ちゃんがお決まりのアレをしてきた。
アレってドレ?
ソレだよ。
あれだ、注文繰り返してなんたらかんたらだ。
俺は適当に空いている席に座った。
しかし、椅子までオレンジとは…
因みに某牛丼屋の看板がオレンジ色なのはちゃんと理由がある。
昭和40年代、当時の社長がアメリカのコーヒーショップを訪れた際、屋根色が1km先からでも目立つオレンジ色だった事をヒントに配色したと言われている。
「お待たせしましたー。」
俺が雑学を自慢していると、若い兄ちゃんが牛丼を持ってきてくれた。
「ごゆっくりどうぞー。」
そう言って若い兄ちゃんは厨房へ戻っていった。
んじゃ、いただくか。
「いただきます。」
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