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「ここがマイハウスだ。」
俺は両腕をいっぱいに開いて、家の大きさをアピールする。
…まぁ普通の家なんだけどな。
「うん…知ってる…」
切菜が申し訳なさそうな顔で言った。
ま…まぁ昔よく俺の家で遊んだしな。逆に覚えていてくれた事に感謝しようではないか。
「てか、昔みたいに強気に話してくれていいんだぞ?いつから貴女は弱々しいキャラになったんですか?」
俺は少々挑発するように言ってみる。
「昔…みたいに…」
切菜が呟いた。
「ああ。○○だわ!とか言ってたろ?」
「…わ、分かった…わ?」
「そそ。その調子。」
いつまでも玄関の前で突っ立ってる訳にはいかないので、俺は扉を開けた。
「ただい_」
靴箱の上に一枚、紙が置いてあった。
『友達の家に忘れ物した(´Д`;)寝る前には戻るーby皆に自慢できる妹』
いい加減なヤツだな…
「ね、ねぇ。」
俺は紙を靴箱の上に戻し、後ろを振り返る。
「入って…いいかしら。」
切菜が頬を赤らめながら言ってきた。
「ああ!」
俺は満面の笑みを浮かべ、切菜を家に誘導した。
…ちょっと待て。これって一つ屋根の下に若い男女が以下略って状況じゃね!?
とても嬉しい。嬉しいが表現する事はできない。むしろ表現してはいけない男の感情。男って複雑なのよ。
「お邪魔します…」
切菜が挙動不審な動きをしながらマイハウスへと吸い込まれていった。
「…できればでいいからさ、その弱々しいキャラ止めてくれない?俺が切菜を虐めてるみたいじゃん?」
「そ…そうね。昔みたいに美霧を虐める側に回らないと…」
切菜が自分に言い聞かせるようにコクコク頷きながら言った。
「俺がいつ切菜に虐められたよ!?いい加減にしないとスカートめくるぞ!?」
「失礼しました。」
切菜が真顔でUターンした為、俺は慌てて切菜の肩を掴んだ。
「離し_」
「まあまあ。お嬢ちゃん…俺と楽しい事しようぜ…?」
そう言って俺は切菜を家の中に連れ込んだ。
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