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結局ぐっすり眠れたな…
自分の緊張感の無さに若干引いている俺。
入学式の前日くらい眠れなくてもいいのではないだろうか…
思えば、修学旅行の前日も運動会の前日も毎回ぐっすり眠れた。
これは一種の才能かもしれない。
そんな事を思いながら俺は家の扉を開ける。
「お、やっと出てきたわね。」
…は?
ち、ちょっと待て。昨日一緒に登校しようって約束したっけ?したような気もするししてないような気もする…とにかく普通にだ。違和感無く接しよう…
「いつから待ってたんだ?」
俺は平然を装いながら扉の鍵を閉める。
「今来た所よ。」
この返答は基本的に1時間くらい待っていましたが何か?を表すはずだ。
俺がドラマや漫画から学んだ知識である。
「んじゃ、行くか。」
「リアクション薄くない?もっと…うわぁ!何で居るんだよ!_みたいにさ。」
実際そうなりましたが。
「は、早く登校しないと初日から遅刻だぞ。」
俺はわざと早く歩いた。
「遅刻するって分かってるならもう少し早く家を出なさいよね。」
切菜は平然と俺の横を歩いてくる。
「…制服似合ってるな。」
「お世辞は結構。」
速答だった。
「マジで言ってるのだが。」
「そう。んじゃ、ありがと。美霧も似合ってるわよ。」
…心の篭ってない「ありがとう」だな…
「サンキュな。」
「お、美霧!おっはー!!」
その時、後方から俺を呼ぶ声がした。
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