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「ちょ、おまっ…」
俺知ってるよ。この子知ってるよ。
少女が油断した俺の手を引きはがし、
「己はいつからシスコンになった!?」
と怒鳴ってきた。
白神美姫(シラカミミキ)_見ての通り俺の妹だ。
肩甲骨くらいまである黒い髪、前髪の一部分(?)だけが鼻くらいまで伸びている変な髪型の少女である。
性格は比較的マシ。兄妹喧嘩は一度もした事が無い。
…隠れドSなのを除いて。
「ミニーさんよぉ。妹にこんな変態行為しちゃって大丈夫なのかい?」
美姫が俺の手を自身の胸の所に持っていく。
「止めろ変態!!それからミニー言うなっ!」
俺は慌てて手を引いた。
「おやおや~?恥ずかしいのですかぁ~?」
「黙れケダモノっ!恥を知れっ!!」
「んー?今何とおっしゃったのですか?お兄様♪」
この笑顔…殺されるっ!
「世界で最も美しい妹を持てて兄は大変幸せでございます。」
「…」
美姫はまだニコニコしている。
この笑顔に騙され、散っていった勇者は一体どれくらい居るのだろうか。
美姫は何も告げない。
空気がヤバいな…話題転換しなければ…
「と…ところで、何やってたんだ?」
俺はビクビクしながら美姫に問い掛けた。
「ん、朝ご飯探してた。」
「朝ご飯ならここに_」
一人前…だと?
待て待て冷静になれ白神美霧。そもそも何で妹が家に居る?コイツは明日まで友達の家でお泊りする予定だったはず。つまり全ての元凶は_
「おい美姫。お前何で家に居るんだ?」
「何でって、ウチの家だから。」
即答だった。
「いやいやいや!お前明日まで友達の家にお泊りするんじゃなかったか!?」
美姫が「何言ってんだコイツ」みたいな目でこちらを見てくる。
「いや、明後日始業式だし。」
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