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自分で言うのも何だが、母親似の、中性的な僕の容姿は自分の周囲からすると、美形の部類に入るらしい。
それで、まぁ、餌にするには不足の無い、最適な人間だそうで。
こうして、普段全く話さないような同期生が、決まって合コンの際に僕に声を掛けるのだ。
「(下らない)」
お前は座ってるだけで良いから!やら、好きな子選ばせてやるから…、なんて事を鼻息荒く語る目の前の数人を、内心冷えた目で眺めながら、ぼんやりと思った。
ここで断れば後が面倒なのも、既に知っていた。…初めから僕に選択肢など無い。
少し間を置いて、口を開く。舌に載せる言葉はとっくに決まっていた。
「構わないよ」
数人の内の一人がガッツポーズを決めるのを、静かに目を細めて見ていた。再度内心で毒吐く。ああ、馬鹿らしい。
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