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翌朝。
俺はいつものように、登校していたのだが…
「待っていたわ。福井愛斗。」
校門で、仁王立ちしている小林がいた。
「ストーカーか、お前?」
「誰がよ!」
小林の叫び声に、登校中の生徒が何事かと好奇の視線を向けてくる。
なにやら恥ずかしかったのか、顔を赤くし、あわあわと周囲を見渡すストーカー。
「と、とにかく…今日は授業に出てもらうわよ!」
「んー……。」
「…。」
「…拒否。」
何かが切れる音がした。
――…
「っでここに避難してきたわけか?」
「ん。」
俺は今、少し薬品臭い保健室にいた。
「にしてもだ。小林のやつ血走った目でお前探してたぜ?」
と、達也が言うように小林と言う名の悪霊から俺は逃げている真っ最中だ。
「さも当然のように、何故達也がいる?」
「サボり。」
「てか、先生は?」
「ベッドで夢の中。」
指差されたベッドを見てみると、規則的に布団が上下していた。
「つーか、なんで俺だけ悪霊に追われなければならない?達也だって同じクラスじゃねーか。」
「知るかよ、そんなもん。ただ単にお前が気に食わないんじゃね?」
「だから、なんでだ。俺はサボりはするが誰にも迷惑かけてないぞ。」
「本人に聞くのが手っ取り早い方法だな。ま、聞く前に沈められるだろーけどわぁふっ!?」
他人事で済ます達也に、蹴りを入れ地面と同化してやった。
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