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重い空気。
沈黙。
そんな中、金髪こと真田達也が膝から崩れ床に両手をつく。
「それは…盲点だった…。」
「何、真剣に答えてる。」
「確かに彼は強いだろうね。サイボーグだし。」
「おい、エビフライはどうした。」
まるで探偵の様に考えるポーズの智樹。
「なんせ彼は、サイボーグな上に次元を操れるからね。」
「次元…だと!?」
達也は智樹の話しを心身に受け止めているご様子だ。
その顔は驚愕に満ちている。
「達也…彼は何次元の存在だい?」
「えっと…二次元。」
「そう、二次元だね。なら彼のポケットは何次元?」
「四次元です、先生!」
そう達也が答えると、智樹の目がカッと開いた。
無駄に迫力があるな。
「彼が二次元の存在で在りながら、四次元の物を所持している。これがどう言う意味かわかるかい?愛斗君。」
「此処で俺に振るか…。」
上手く空気と同化していたんだが、甘かったか。
「さ、答えてよ。」
キラリと智樹の眼鏡が怪しく光る。
「んー。…二次元で在りながら、四次元ならその間の三次元に―」
「そう!僕らの世界に彼は介入しかねないんだ!もし、人を縮める懐中電灯を使用したら?そうなれば、僕らは地を這う蟻と同じ扱いをされてしまう可能性だってある。」
「なんて恐ろしい…。」
あぁそうだな。
なんて恐ろしい思考を持ってるんだろうな。
まだ馬鹿な会話を続ける二人を尻目に、俺は空を見上げた。
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