天敵

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迫りくる小林拳。 奴の視線、そして軌道は明らかに鳩尾。 素人の動きじゃねぇ。 「ちっ…!」 当たればヤバい。 そう俺の勘が言っている。 致し方ないので、 「ほい。」 「えっ、えぇ!?」 左腕を巧みに使い、小林の拳を外側に流しました。 「このっ!」 再度、攻撃を仕掛けられる前に、下がった小林に接近。 「きゃっ!」 左ストレートを寸止め。 止めに勝ち誇った顔で一言。 「はい、アンタの負け。」 ここで敢えて、俺の勝ちとは言わないい。 負けと突きつけてやった方が、精神的ダメージが大きからな。 ほら、小林が凄い悔しそうな顔をしてる。 「あーー!マナ君が女の子をいじめてます!」 屋上に響く女の声。 声だけで、誰かわかった。 そして、閃いた。 この面倒を打破する唯一の方法を。 「あー、京か。扉の裏を見てみな。小林が犯人な。じゃっ!」 それだけを伝えると、俺は屋上からエスケープ。 ≪きゅー!!たっくん!≫   そんな声が聞こえた気がした。 気がしただけ。 うん、気のせいだきっと。
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