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(俺、なんで目逸らしちゃったんだろ?
……まぁいっか。)
と、少し息を整えた。
「ねぇ?」
「は、はい!?」
突然 声をかけられ、異常なリアクションをとってしまった。
そしてそこには、さっきまで部屋にいた香苗の旦那さんが立っていた。
「アハハ。おもしろいリアクションだね。
でもなんで目があった時、逃げちゃったの?」
「いや…あの…そのぉ……。」
「アハハ。まぁいいよ。
君 名前は?」
「あっ、谷崎 蓮です。」
「蓮君かぁ。良い名前だね。
谷崎ってことは、香苗の親族かな?」
「はい。従兄弟なんです。」
「へぇ~従兄弟。
どうりでなかなかの美形な顔だ。
あっ僕は富田 仁(トミタ ジン)よろしくね。」
「よ、よろしくお願いします…。」
「そんな緊張しなくて大丈夫だよ。
ところで蓮君。
科学に興味あるかい?」
「科学ですか…。」
(ここはあるって言っとかないといけないかな。)
「ありますよ。
仁さんは研究者だとお聞きしました。」
「ハハッ。研究者かぁ…。
どこで情報が曲がったんだろね?
僕は科学者だよ。
まぁ大して変わりは無いけどね。」
「科学者ですかぁ…。
なんか凄く楽しそうです。」
「そう?
なんだか嬉しいよ。
そうだ。
新しく凄いもの発明したんだけど、今度 研究室に来る?
多分 歴史に残る発明だよ~。」
(おっ、真面目に楽しそう。)
「ぜひ行きたいです。」
「そう言って貰えると思ったよ。
誰かに見せびらかしたくて仕方ないんだ。
今度の月曜、学校が終わってからでどうかな?」
「分かりました。
でも何を発明したんですか?」
「それは来てのお楽しみ~。
まぁ楽しみにしててよ。」
「了解です。
すごーく楽しみにしてますね。」
「その期待は絶対に裏切らない物だと、保障するよ。
あっそろそろ行くね。
着替えとかしないと…。」
「あっはい。
ではまた後ほど、式で…。」
そう言って2人は別れた。
(確かに香苗ねーちゃんが惹かれる訳だ…。)
蓮は妙に納得していた。
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