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中はまだ新居独特のニオイを放ち、凄く綺麗だった。
まだ荷物を片付け終えていないのか、段ボールがところどころにある。
そして蓮達はリビングへ案内された。
「うわっ スゲー広い…。」
そこは凄く広かった。
蓮達5人だけでは寂しく感じるぐらい広い…。
「広いでしょ~。
こんな家に住んでみたかったのよね~。
まさか叶うとは思って無かったけど。」
香苗はこれまでに無いほど笑顔だ。
やはりそこからは幸せが伝わってきて、蓮にはその幸せが少し痛かった。
(俺、捻くれてるなぁ…。
ホントは祝わないといけないのに…)
蓮は少し暗い表情になってしまった。
そしてこっちは表情に出さないが、高校生にもなって、ましてやもうすぐ成人であるのに従姉妹に好意を抱き続けている自分が恥ずかしくもあった。
「どうしたんだい、蓮君?
浮かない顔してるね~。」
仁が蓮の暗い顔に気づき話かけてきた。
「あっ、いえなんでも無いです。
それより
ホントにこの家広いですね~。」
「だろう?
すっごいお金かかっちゃったけど…。
でも香苗が喜んでくれることが嬉しくってね。」
「大事に思ってるんですね。香苗ねーちゃんのこと。
末永くお幸せに…。」
「アハハハ、ありがとう。
一生 大事にするよ。」
仁も幸せそうだった。
蓮はさらに複雑な気持ちになっていった…。
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