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蓮は途中まで暗いまま過ごしていたが、だんだんと幸せ空気に飲まれていき、最終的には結婚式同様、楽しんでしまっていた。
(俺の好意なんて決して届かないもんだからな…。)
もう香苗に対する気持ちを割り切ってしまっていた。
そして1日はあっという間に過ぎて行った…。
現在21:30。
「よし!俺らはそろそろ帰るわ。
二人の幸せっぷりも見せて貰ったし、夜は二人っきりで過ごしたいだろう?」
父がいきなり言い出した。
「そ、そんなこと…」
香苗が赤くなる。
「まぁ遠慮するな。
ということで俺らは帰るよ。
いろいろありがとな。
またお邪魔するよ。」
「はい。こちらこそありがとうございました。
お気をつけてお帰り下さい。」
「やっぱりまだ堅いなぁ、仁君わ。
また酒でも飲みに行こう。」
「はい!」
父は仁と酒を飲みに行く約束を交わし、玄関へと向かった。
それに続き、蓮と母、香苗が玄関へと向かう。
玄関から出ようと靴を履いている時、蓮に仁が話しかけてきた。
「蓮君、また明日ね。
ホントに楽しみにしておいてよ。」
「はい。
楽しみにしておきます。」
「うん。
じゃあ学校から帰ったら連絡して。
家にはいないから、これ携帯の番号。」
蓮は仁の携帯番号を教えて貰った。
「分かりました。
では、また明日。」
「うん。
じゃあねー」
こうしてその日は終わった。
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