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「ねぇ、ナツ?可笑しくない?これ、変??」
深々とキャップを被りながら、私の服の袖を握ってくるコイツは、海斗。
「どうでもいい」
投げやりに言葉を発した私は、もう本当にうんざりだった。
だって、コイツ
海斗は、かれこれ30分もの間こうやって帽子を選んでる。
何だっていいのに。
どれを被ろうが、海斗は海斗。
それ以下でも、以上でもない。
たかが、帽子でここまで悩む理由が分からない。
しかも、だ。
「先行く」
「えぇぇ!!まってよナツぅぅ!!!」
「五月蝿い!私は早くプリンが食べたいの!!」
「置いてかないでぇぇ」
たかがコンビニに行くだけなのに、これだ。
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