お酒は二十歳になってからっ!

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そして、その後。 指定時間の五分前、ボクは霧谷くんの家に辿り着いていた。 見た目は極々普通の一軒家。 前に一度、部活帰りに送っていったことがあっただけだったけど、奇跡的に場所は覚えていたみたい。 まぁ、学校から15分位の場所だったしね。 「朝比奈、先輩?」 玄関前に立ちチャイムを押して良いかどうか迷っていれば、聞き覚えのある声がボクの名を呼んだ。 「あれ、霧谷くん…?」 思わず聞き返してしまう。 どうして、霧谷くんが家の外に? 「……なんで、先輩が?」 「えと…、そ、その……」 そんなこと聞かれても…… もしかして、 来たらまずかった、のかな? 「と、とりあえず入ってください」 しゅんとなって俯くボクを見て、気まずそうに慌てた霧谷くんは光の速さで玄関を開けると、ボクを手招きした。 そんなに、 挙動らなくても良いのに…… 「お、お邪魔します……」 「どうぞ!」 ハキハキと、酷く焦ったような彼の反応にボクは何だか緊張してしまった。 いつもの物静かで冷静な彼の様子からは想像出来ない振る舞いだったから。 「いらっしゃ~い」 そして、奥から出てきて、そんなボクらを迎えたのは、 「弥生さんッ!?」 「や、弥生先輩……」 弥生先輩、その人だった。
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