お酒は二十歳になってからっ!

7/22
前へ
/156ページ
次へ
「まっ、とりあえず!  朝比奈くん、入って入って!  一樹ももう来てるわよ!」 「ぁ…、ちょ…っ」 そう言う弥生先輩にボクは腕を取られて中へと連行される。 短い廊下を引かれながら移動する最中、弥生先輩の格好に目が行った。 白の薄手のカーディガンに生成り生地の上品なワンピース。 それに、いつもは下ろしてカチューシャを付けてる髪の毛もアップにして1つにまとめてある。 薄らと適度に施されたメイクも女性らしい……というか、清楚で大人っぽい雰囲気を醸し出していた。 な、なんか…… 全体的にお嬢様って感じ。 弥生先輩、スゴい似合ってて、ボクなんか見劣りしちゃいそう…… そんなことを考えたせいか、足が扉の前で自然と止まってしまった。 「朝比奈くん、入らないの?」 「……へっ!?  あ、いや、その…っ!  は、入りますよ、入りますっ」 「そう? うふふっ」 ボクのあたふたした様子が面白かったのか、笑われてしまった。 あー…もう! ボクってば何やってるんだか……
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加