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「まっ、とりあえず!
朝比奈くん、入って入って!
一樹ももう来てるわよ!」
「ぁ…、ちょ…っ」
そう言う弥生先輩にボクは腕を取られて中へと連行される。
短い廊下を引かれながら移動する最中、弥生先輩の格好に目が行った。
白の薄手のカーディガンに生成り生地の上品なワンピース。
それに、いつもは下ろしてカチューシャを付けてる髪の毛もアップにして1つにまとめてある。
薄らと適度に施されたメイクも女性らしい……というか、清楚で大人っぽい雰囲気を醸し出していた。
な、なんか……
全体的にお嬢様って感じ。
弥生先輩、スゴい似合ってて、ボクなんか見劣りしちゃいそう……
そんなことを考えたせいか、足が扉の前で自然と止まってしまった。
「朝比奈くん、入らないの?」
「……へっ!?
あ、いや、その…っ!
は、入りますよ、入りますっ」
「そう? うふふっ」
ボクのあたふたした様子が面白かったのか、笑われてしまった。
あー…もう!
ボクってば何やってるんだか……
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