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「弥生さんたち、
待ってくださいよ!」
「ん?」
後ろから大声でボクたちを呼ぶ霧谷くん。
ボクが振り返れば、猛ダッシュでこちらに駈けてくるのがわかった。
よく見たら、彼もいつもと違ってバッチリ格好を決めている。
袖口が渋い緑の白Tシャツに灰色のベスト。
細い身体のラインにピッタリなジーンズに、いつもは付けていない黒縁メガネ。
それに、銀色のクロスのネックレス。
2人とも身長とか、かなり高くてスタイルも良いから、ちびっこなボクとは違ってモデルみたいで格好良い。
「……いいなぁ」
思わず漏れてしまった声に、ボクは咄嗟に口をつむいだ。
「何か言った、朝比奈くん?」
「い、いぇっ!
それより早く中に入りましょ!」
すっかり気が動転してしまったボクは勢い良く扉を開いた。
そして、扉を開けて数秒後。
「あっさひなぁ~…」
ボクは得体の知れない何かに、絡まれました。
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