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「あっさひなぁ~…
いっちゃんってば
さびしかったんだよぉ~」
「ぇ、ちょ…、や、止めっ!?」
スリスリと頬を寄せてくるその人に、ボクは困惑を隠せない。
何?
何なんだ、この状況は!?
「やぁ~だぁ~…
あさひなのそばがいー…」
「いや、あの…っ、ちょっと!」
ベッタリとボクに絡み付くその人。
艶やかな黒髪がスゴい綺麗で、それに無茶苦茶身長も高い。
声が高いし、胸らしき柔らかいものがボクに当たってるから、多分この人は女の人なんだろうけど……
誰だろ…?
弥生先輩の女友達とかかな…?
……って、それどころじゃなかった。
慌ててその人を剥がしにかかる。
とりあえず軽く引き剥がせば、ズレた拍子に、その人はそのまま地面に寝転んだ。
そして、スゥスゥと安らかに寝息を立てて、意識を飛ばした。
……何、何なんだろこれは?
「や、弥生先輩、これって…?」
ようやく、周りを見るだけの余裕ができたボクはすぐに弥生先輩の名を呼んだ。
「これって……
聞かなくても分かるでしょ?
ウィッグを付けた一樹よ、一樹」
「えぇぇえええ!?」
弥生先輩の思いもよらない答えにボクは思い切り、声を上げてしまった。
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