お酒は二十歳になってからっ!

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「な、何言ってるの、慶?」 「しかも、中身減ってるし。  これ、まさかですけど…  速水先輩が飲んだ、  とかじゃないですよね?」 誤魔化すような素振りの弥生先輩を尻目に、霧谷くんは話を続ける。 ……ていうか、ボクは蚊帳の外? 「ま、まさかぁ?  私だけに決まって……  い、いや何でもないわっ」 「………」 あれ…? 弥生先輩って、こんなにわかりやすい人だったっけ? 「朝比奈先輩」 「へっ!? は、はいっ!!」 急に呼ばれてビックリしたボクはビクリと身体を震わせて、大声で返事する。 そうすれば霧谷くんはニッコリと優しく微笑んで言葉を口にした。 「二階の右側の部屋、  俺の部屋になってます。  朝比奈先輩は、速水先輩を  そこで休ませてあげて下さい。  多分、弥生さんのせいで  お酒、飲まされてますから」 「わ、わかった……けど、  弥生先輩と霧谷くんは……」 どうするの? そう言おうとしたけど、霧谷くんがボクの唇に人差し指を当てて言葉を静止した。 「任せて、貰えませんか?」 「…ッ!!」 色っぽいフェロモン、 ムダに出し過ぎだよ、霧谷くん! 「……朝比奈、先輩?」 真っ赤になったボクを不思議がるように霧谷くんは首を傾げる。 それが今度はあどけなくて、何だか可愛らしく感じてしまった。 「わ、わかった!」 ボクは、焦ったように返事を返すと、フニャフニャ状態の一樹先輩の腕を引いて一目散に部屋を後にした。
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