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◇ ◆ ◇ ◆
―――そして、今に至る訳です。
「ふみゅ~……」
「………」
最初は普通に一樹先輩をベッドの上に寝かせ付けたんだけど……
『いっちゃん、あさひなに
ひざまくらしてほしー!!』
あんな可愛くおねだりとかされたら、誰だって断れないよっ!!
……という訳で、冒頭と同じく現在進行形で膝枕してます、はい。
って、ボクってば誰に話し掛けてるんだか……
「……何やってんだろ、ボク」
呆れ口調でぼやけば、ボクは何気なく、未だに眠る目の前のお姫様に目をやった。
いつもと違うほんわかした目。
薄らと化粧のされた桜色の唇に、艶やかでロングな黒髪。
いつもの格好良い一樹先輩とは打って変わって、何だかスゴい色っぽい……
「……ッ!」
ヤバイ。
なんか意識したら心臓がバクバク言ってきた。
いつもの格好良い一樹先輩も大好きだけど、今の先輩もスゴい大好きだ。
「……あさ、ひなぁ…」
「ぇ?」
眠っているはずの一樹先輩。
だけど、はっきりとボクの名前を呼んでいた。
もしかして、
ボクの夢でも見てるのかな?
そんなことを思うと、何だか胸がほんわかして来て、スゴく幸せな気分になった。
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