お酒は二十歳になってからっ!

12/22
前へ
/156ページ
次へ
   ◇  ◆  ◇  ◆   ―――そして、今に至る訳です。 「ふみゅ~……」 「………」 最初は普通に一樹先輩をベッドの上に寝かせ付けたんだけど…… 『いっちゃん、あさひなに  ひざまくらしてほしー!!』 あんな可愛くおねだりとかされたら、誰だって断れないよっ!! ……という訳で、冒頭と同じく現在進行形で膝枕してます、はい。 って、ボクってば誰に話し掛けてるんだか…… 「……何やってんだろ、ボク」 呆れ口調でぼやけば、ボクは何気なく、未だに眠る目の前のお姫様に目をやった。 いつもと違うほんわかした目。 薄らと化粧のされた桜色の唇に、艶やかでロングな黒髪。 いつもの格好良い一樹先輩とは打って変わって、何だかスゴい色っぽい…… 「……ッ!」 ヤバイ。 なんか意識したら心臓がバクバク言ってきた。 いつもの格好良い一樹先輩も大好きだけど、今の先輩もスゴい大好きだ。 「……あさ、ひなぁ…」 「ぇ?」 眠っているはずの一樹先輩。 だけど、はっきりとボクの名前を呼んでいた。 もしかして、 ボクの夢でも見てるのかな? そんなことを思うと、何だか胸がほんわかして来て、スゴく幸せな気分になった。
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加