*壊れる歯車と*

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嗚呼、可哀想な緋月 君は気づいてしまうだろう 君は認めたくないだろう これを見てしまったら 君は、 壊れてしまうのだろうか ねぇ、緋月 君はどうしたら手に入るんだい? 壊れたら手に入る? 狂ってしまえば手に入る? 嗚呼、緋月 早く俺だけを見て 生徒会室の扉を開け、キッチンへと迷わず行く君 仮眠室の事情に気付いた様子は、ない もう一つ画面を使いキッチンの様子をみればもう何かを見付けたらしく、安心した顔をしていた 緋月 緋月 俺は君をどうしたいのか分からないよ その顔を歪めさせたいのに、その顔を俺に向けて欲しくて 壊れて欲しいのに、壊れて欲しくない 今、あそこに行けば緋月があの情事を見ることはなく、 傷付く事も、壊れる事もないだろう 泣く事もないし、絶望する、事もない でも、俺はあれを見て欲しくて、 その顔が歪んで欲しくて これを期に彼奴から離れて仕舞えばいいと思っている *
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