*壊れる歯車と*

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走る 走る 必死に走って漸く見えた生徒会室 キーを通し、中へと入る 視界に映るは ぐらり、崩れゆく体 虚ろな瞳はもう、何も映していない 顔の血の気がサーと引いてった 叫びたくなるのを抑え 手を伸ばせば 腕の中に納まった心細い体 強く抱き締めたら折れてしまいそうな、心許ない体 初めてこの腕に抱く事が出来た 「“おやすみ、・・・これで漸く君を俺のモノに出来る。愛してる、愛しい俺の緋月”」 今にも消えてしまいそうな儚い君 涙が零れそうになった ギュッと抱き締める もう、速水何かに渡さない 意識がないまま涙を流す緋月 苦しげな表情 緋月、 どうか、笑顔を見せて 愛しい彼を抱き締める *
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