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土曜の和やかな昼下がり。
春の花香る蝶の舞う庭。
聞こえて来る優しい声。
「なあ、リアン…。」
「なぁに?お爺様。」
「この世界にはな。違う世界があるんだよ。」
「違う、世界…?」
「そう。お前は優しいいい子だ。だから…。」
「うん。だから?」
「世界が壊れたら、違う世界に行きなさい。」
暖かい日差しが祖父の顔を照らす。
「どうやって?」
「毎日星に祈るんだ、力をあげよう。」
「お爺様は?どうするの?」
「大丈夫。その時私はもういないだろう。」
…
最近よく見る昔の夢。
普段通りに小鳥の囀りで目を覚ます。
「お早う。お爺様。」
庭に舞う蝶を見て、呟いた。
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