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「はぁーー....皆越栄斗だ。」
露骨にため息をつきながら、しぶしぶ名乗る栄斗。
「栄斗君かー、私はユウナ!よろしくねっ」
栄斗のため息を全く気にせず、ユウナは効果音が出そうなくらい眩しい笑顔で言う。
「ああ、また会う機会があればな。」
可愛いと正直に思ったが、恥ずかしいからか、栄斗は特に反応を示さずなさらっと返す。
「うん、ありがとう!」
キラッ
あっ....効果音出た
「じゃあ、またな。」
栄斗は駅に向いて歩き出す。
「またね♪」
嬉しそうに返事をしてきたのに少し頬を緩めながら栄斗はユウナに背を向けて歩いていく。
少し歩いて後ろを向いてみるともうユウナはそこにいなかった。
「変なやつ。」
もう少し話してたかったような気もするが栄斗は学校におくれそうなことを思いだし、小走りで駅へ向かう。
不思議と栄斗の憂うつな気分は晴れていた。
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