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『こちら第3守護隊!隊員のほとんどが戦闘不能状態に.....っ!』
若い男の声が途中で遮られ信が切れる。
「いったい何が起こっている!?!?」
「どうやら守護隊は全滅したようですな。」
狼狽える中年の男性に、髭を生やした初老の男性が横から落ち着いた声で説明する。
「バカな!我ら守護隊はこの国で最大の兵の数と武装力を誇る第一級魔法兵団だぞ!?」
背にマントを付け、鎧を着た中年の男の胸には綺麗な装飾の数々があり、司令官であることを物語っている。
「しかし現に...」
話を遮るように男たちのいる部屋の扉が爆発と共に吹き飛ぶ。
部屋にいた二人の男は反射的に会話を止め、入り口へ視線を送る。
司令官ともなれば歴戦の戦士なのだろう。
敵に対処するためか―すでにその体を淡い光が包み込んでおり、臨戦態勢をとっている。
「何者だ!?」
先ほどまで狼狽えていた男が怒りを押さえられず、立ち上る煙に映った人影に向かって声をあげる。
人影は何の反応も見せないが徐々に煙は薄れてきており、人影は段々その姿を現していく。
「この青年が?」
怒る男性の横にいる初老の男性が驚きのあまり疑問を口に出す。
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