6人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっと....学生....だけど?」
直感で年下だろうと感じた栄斗は初対面だが少女に対して普通に答える
「学生?....こんなところで何してるの?」
だからそういうのはこっちのセリフである
「学校に向かってるんだよ....君こそ何してるんだよ。」
少々理不尽な質問にイラついたが、初対面の人をおばわりは出来ずに栄斗は気になっていたことを口にする。
「私?えっと....気持ち良くて寝てた。」
なるほど、アホな子だったか
「そうか、こんなとこで寝ると危ないから気を付けろよ。じゃあな。」
これ以上は面倒なので適当に話を終わらして歩き始める....が
「初対面の私を心配してくれるの?優しいね♪」
と言って少女は柔らかく笑った。
.....栄斗の足を掴んだまま。
「それほどでもねえよ。常識だ。そして俺の足を離せ」
身の危険と遅刻の危険とを感じながら冷や汗を流しながら栄斗が言う。
「えー?一度掴んだ手は簡単に離しちゃダメなんだよ?」
訳が分からないことを言いながら少女は不満そうな顔をする。
「意味がわからんし、お前が掴んでるのは手じゃなくて足だ!」
呼び名をお前に変えてツッコんでしまう。
「こんなうら若き乙女を捕まえてお前だなんて失礼しちゃうわ。」
ふてくされたような顔でやっと手を離した少女が立ち上がる。
身長160cm弱といったくらいだろうか。少女は不満そうに栄斗の顎くらいまでの身長だった。
「そっか、悪かったな。じゃあな」
足を離されたので会話を終わらせて歩き始めた栄斗。
しかし....
ガシッ
「何かちょっと楽しいし、もうちょっと話そうよ。」
にっこりと太陽のような笑顔で話してくる少女。
その手は俺の手を掴んでいた。
「掴むのが手ならいいって訳じゃないんだぞ?それに俺は学校に行くって言ってるだろ?」
少々理不尽な少女に呆れながら言う。
「じゃあせっかくだから名前だけでも教えてよ。」
むーっと頬を膨らませながら少女が名前を聞いてくる。
何がせっかくなのか全く分からない
最初のコメントを投稿しよう!