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7月24日
《7月24日・15:30》
【エアーライト322便・乗員乗客418名。都市部に不時着】
都市の郊外にある広大な整備区域に、1機の旅客機が不時着した。
原因は着陸間際の操縦不良。着陸体制に入ったところで車輪が機能しなかった為に胴体着陸を余儀無くされたという事である。
機体は不時着後に接地部分より炎上。消化活動が遅れた為に最終的に機体は全焼した。
人的被害は幸いにも死者こそ出なかったものの、一部の客と乗務員が一酸化炭素中毒により病院へ搬送された他、近隣の道路は緊急車両専用となり一時交通が麻痺した為に、事故の影響を受けた人数は述べ3万人と報じられた。
この日は近くで夏祭りが行われる予定であり、近隣の道路では既に出店や歩行者天国の準備が始まっており、それが消化活動を遅らせた要因とされている。
もし時間があと数時間遅かったら、もし不時着場所があと少しズレていたら、夏祭りで賑わう歩行者天国に旅客機が墜落するという未曽有の大惨事が引き起こされただろうと、専門家は口を揃えた。
杉田『何なに?なんか今日の電車、やけに混んでるんじゃないの?』
一宮『そうですね…夏祭りがあるからじゃないですか?』
杉田『夏祭りか…成る程ね、でもスーツ着てる奴も多いと思わないか?…ネクタイ締めて夏祭りたぁ、時代も変わったね』
一宮『言われてみれば浴衣の人、ほとんど見ませんね…。ぁ~あ!私も夏祭り行きたかったなぁ』
杉田『そういや一宮、お前は夏祭り行かないの?華の18歳の女の子が、恋人も作らず夏祭りをスルーするなんて、味気ないぞ?』
一宮『独り身アラサーの杉田先生に言われたくないです!大体先生が夏期課題とか出すから!こうして夏休みでも電車に詰め込まれて学校に来てるんじゃないですかッ』
杉田『あ゙~…電車のモーター音で何も聞こえん~…』
一宮『うざッ…』
杉田『一宮、恋人云々は別にして、今からでも夏祭りに行ってきたらどうだ?まだ7時だし…せっかくなら屋台飯の1つ位、食べて来たらいいじゃんか?』
一宮『せっかくですけど、浴衣の着付けに時間がかかるし…それに今日は誰かサンの課題のおかげで疲れたんで、素直に帰りますよーだ』
杉田『ぉーおー耳が痛いねぇ…』
一宮『あ、私は次で降りるんで、そろそろ失礼しますね!』
杉田『あいよ!』
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