闇に紛れて

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ここは『アテンド』と『ヴェンガルド』の国境沿いにある町『ラルカ』の東にある森”ワナ樹林“ そこに十数名の一団がじゃらじゃらと音を立てて今にも落としてしまいそうなほどに膨らんだ皮製の袋を担ぎ上げワナ樹林を駆けていく。 「頭ぁ、今回は大成功ですねぇ」 付近を警戒しつつ走っていた男が先頭を走っている男にそう話しかけた。 「おうよ!しかも今回はストルの屋敷だからな。はじめは無理かと思ったが……これ程とはな、ガハハハハ!!」 頭と呼ばれた男は袋を見つめると高笑いをあげた。 「しかし、誰も来やしませんね?」 「まだおれ達に気づいてねぇんじゃねぇか!?ガハハハハ!」 また頭が高笑いをあげていると前方の茂みからがさがさと物音を鳴らし人影が男達の先を遮る。 「な、なんだてめぇは?」 人影は全身をマントに包まれており、体格から男と分かるが他は一切分からなかった。 ?「ちっ!夜遅く呼ばれて行ったらやっぱりただの盗賊かよ……帰るか」 男は男達を見渡し、盛大に舌打ちをするともと来た道に戻ろうとした。
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