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「待ちな、てめぇ」
頭は男を呼び止めた。
「てめぇが誰かは知らねぇが見ちまった以上黙って返すわけにはいかねぇなぁ……なぁ?そうだろ?」
頭が後ろの男達に目配せすると男の回りを手下達で囲んだ。
「へへへ、悪く思うなや兄ちゃん」
手下達は下卑た笑みを浮かべそれぞれがナイフやら短剣を取り出した。
?「……まったく、笑えんな。が、しかし」
男はマントの中でもぞもぞと手を動かし何かを探している。
?「こうまで“盗賊らしい”……っと」
そしてマントの中から出てきたのは装飾など何もない少々細身の刃渡り九十センチメートル程の剣。
?「……殺しがいがある」
そしてマントを外し、月夜に照らされ男の姿がうつし出された。
「おい、聞いたか?殺しがいがあるだってよ?ガハハハハ!」
「お前ら!やっちまいな!」
頭の指示とともに手下達が一斉に襲いかかった。
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