赤の世界

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 僕は他人に興味がない。  いや、自分自身にも興味はない。  煩わしい。鬱陶しい。そんな感情しか湧いてこない。  だから、学校は嫌いだ。  人が多いから。何を考えているのか分からない××××が多いから。  誰も僕の事を友達とは思ってないだろう。  別にそれでも構わない。だって、僕も思ってないから。友達でも何でもないヤツのことなんて、誰も興味はないだろうし。  僕が部活に行っても誰も見向きもしない。  部活には強制参加だから仕方なく入部しているに過ぎない。それがなかったら、誰が好き好んで部活などするものか。  面倒くさい。本当に面倒くさい世界だ……。  学校に着いた。  馬鹿面丸出しで談笑する××××ども。  何故あんなに意味もなく騒げるのか不思議で仕方ない。  何が楽しいのか、何がそんなに面白いのか。明らかにどうでもいいことで騒いでいる連中の横をすり抜け、下駄箱へと歩みを進める。  背後から、横から、前から、くだらない笑い声が木霊する。  鬱陶しい。本当に鬱陶しい連中だ!  こいつ等も鬱陶しいが、先生達は更に鬱陶しい。  学生は勉強が本分だというが、社会に出て役に立つものがどれほどある?  一般教養や知識というものだって、誰が決めた?  何故、あんなものを学ぶ必要があるのか僕には分からない。もっとも、普通の人間には必要なことなのだろう。  でも、僕には必要ないことだ。    だって、僕は世界にも興味がないから――
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