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狂くんは興味があるんだかないんだかわからない返事をして麦茶を飲みほした。
「気になんの?」
「別にー。いつも決まった時間に来るから印象に残ってるだけだよ。それに彼氏いるっぽいし」
「なんで知ってんだよ」
「それらしき人とたまに来てたから」
「へー。ちょっと気になるな」
「まぁでも関わることないでしょ」
あんな大人の女の人となにもあるわけない、こんな高校生の俺が。
あったとしてもただの憧れの対象だろ。
「付き合ったりしたら面白いのにな」
「もー狂くん、そういうのないから絶対…」
絶対、絶対ないだろ。
そんなこと。
金曜日、今日もバイトに勤しむ俺。
もうすぐいつもの時間だ。
数日前狂くんとあんな話をしていたせいか妙にドキドキする。
らしくないな、落ち着けよ。
客が入ってきたのを察知して「いらっしゃいませ」と言いながら顔を上げる。
あの人だった。
思わず目で追っていると目が合ってしまい、とっさに顔を下げる。
その人はやっぱり今日も俺の立っているレジに来て、カフェオレを置いた。
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